<   2009年 11月 ( 6 )   > この月の画像一覧

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   川を読むことも子は継ぎ鮎釣りに今朝は太めの魚籠を持ちゆく


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■川好きの少年が・・・

 私は、四万十川の支流の流域に生まれ育ちました。

 子供の頃はその川は、自分たちにとって四季を問わず、遊びの場所であり、憩いの場所でもありました。小学生の頃は学校が終わると、毎日のように友達と川へ行ってエビ取りや魚釣りをしたものでした。

 小学6年生の頃に、一日先生として営林署の人が来て、森や林や川のことについて話をして下さいましたが、そのなかで森や林や川は人が生きて行く上で空気と同じように大切なものだと、そのかかわりあいを詳しく説明してくれたことを今でも覚えています。

 どちらかと言いますと、私は川好きの少年が大人になったようなものでして、仕事の休みのときは、子供達を毎回のように川へ連れて行き、魚釣りや水遊びをして子供と触れ合い楽しんだものでした。

 今年84歳ですが、毎朝遠くの山や森を眺めながら、四万十川の堤防を散歩していますが、時おりは少年時代の川遊びのことを思い出しています。

 願わくば四万十川が何時までも日本最後の清流であって欲しいと思います。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

 大正11年生まれ。
 「個性」会員を経て、
 現在無所属。
平成19年度高知県芸術祭文芸賞受賞。

 炭窯に火の入りたるを確かめて山を下りたり八十五歳

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[代表歌鑑賞]    (四万十川短歌大会(第9回)より)

 中村短歌会賞
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[四万十川秀歌百選/大滝貞一]

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  川漁より帰りて飯を食む孫の胡座大きくなりにけるかも

 自分自身川漁が好きで、壮年の頃からよく孫をつれて出かけ、そのつど漁のコツなどを伝授してきたのであるが、もう一人前になって鮎をどっさり捕ってきた。飯を食っている孫の胡座は大きくなって頼もしくなった。(大滝)
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   四万十川煌く流れに鮴漁の姿みえそむ早春の午後


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■早春の風物詩

 四万十川の早春の風物詩に鮴漁があります。幼い頃は、鮴が沢山とれ、鮴と丸干し大根の卵とじが父の大好物であったことを思い出します。

 近年は、鮴も少なくなり、残念です。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

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大正13年 四万十市(旧中村市)生まれ
 「雲珠」会員

 『平成12年9月30日、大雨の中、東京から雲珠の同人20数名が参加して、大滝貞一氏の四万十川歌碑の除幕式が執り行われました。

 雲珠の同人による「四万十川吟行」は、除幕式の後、四万十川の屋形船に遊覧して行なわれたものです。

 地元からも雲珠の会員が多数参加しました。代表して雲珠の同人でもある小谷貞広氏が、献身的なお世話をしました。(加納)』

  碧石に白く浮きたつ師の歌碑の四万十川のほとりに鎮もる

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[ひとくちメモ]

■四万十川歌碑の除幕式
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 みずおくにすばやくはしる魚の背を透かせて四万十は澄みわたるなり

【写真】除幕式(提供:小谷貞広氏)

◆小谷貞広氏の除幕式での短歌

 降り込むは吉の兆しといはれたり除幕の式を叩く土砂降り

 歌碑に向い称宜はオーオーと声あげて高天原より神を呼ぶなり

 みづおくにすばやく走ると詠みし碑は青き流れを木の間にのぞく

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[除幕式での短歌集(雲珠の同人)]

 平成12年9月30日に中村市(現四万十市)川登の四万十川畔に大滝貞一氏の歌碑が建立され、地元の小谷貞広さんをはじめ、全国から28名の雲珠同人が集い、記念の除幕式が行なわれました。

◆四万十川歌碑除幕式

・石川正子氏

  張られたる幕は引かれて待ちゐたる師の歌碑美しく現われづる
  
  なつかしき師の筆跡のみづみづと石に刻まれ雨はげしくて

  自称せる「晴男」を返上なされませ雨に惨める碑もまたよろし

・中村あやめ氏

  雨けぶる佐田の沈下橋渡り行き師の歌碑目指す川添ひの道

  杉木立のしづくに濡るる師が歌碑の青石に白き文字は浮き立つ

・中村茂美氏

  四万十に師の歌碑建つと友どちの乗りたる列車視界に消えつ

小谷貞広氏
中山千恵子氏
安部巳佐子氏
飯塚智恵子氏
有井佐代子氏
加納 薫氏
白石多津子氏

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a0050405_74713.jpg さらに除幕式の後、2艘の屋形船に遊覧しての、雲珠同人による「四万十川の吟行詠」が行なわれ、数多くの「四万十川の秀歌」が生まれています。【写真】四万十川の吟行(提供:小谷貞広氏)


・斎藤洋子氏の四万十川の吟行詠
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    浮く鴨はそのままにして一時を水は入陽に燃えつつ動く


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■四万十の四季

 平成17年度高知県の文学賞(短歌の部)に「四万十の四季」二十首を投稿していたところ、佳作入選でございました。下手でも、四万十川の風物は収められていると思います。

 今年(2005)も、幡多信用金庫主催の全国四万十川短歌大会の案内が来ております。四万十川の歌を、5・6首出すつもりです。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

■第14回 四万十川短歌全国大会(主催:幡多信用金庫)2005.11.19

 永橋三八夫氏の応募作品(4首)

  水さやぐ川瀬に竿の乱れ立ち一寸先の見えぬときめき

  こぞ捕りし日干しの鮎のひとつ裂き火気たつ朝の碗にうちふる

  声あげて橋より跳びしそのかみよ羽もつ河童もなくてさびしき

  華麗なる蟹のダンスが透けて身ゆ深山めぐりて来し真清水に

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[代表歌鑑賞]    (四万十川短歌大会(第15回)より)

 中村ロータリークラブ賞
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[文化遺産]

■入陽
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【写真】燃える海(浜岡勝行/佐賀町・写真集「自賛他賛」より)

 毎日、海の見える所でくらしていても、「オーこの一枚」が、なかなか撮れない。まあ気負わず・焦らず・そのうちに・・・。(浜岡)
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        ひき潮に真砂まろぶも透かしみて下る四万十秋まだ青し


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■四万十川を下る

 土佐山田農協のブランド商品「やっこ葱」の販売高が20億円を突破した、15・6年も前のことでした。栽培者の私は、自祝いの意味もあって、老人会の四万十川下りに参加しました。(その時の写真を同封します。)

 四万十川では、広い河口にまず驚き、大文字焼きの行われる山に、一条候を偲び、観光の投網漁に息をのみました。

 折りしも、引き潮どきで、屋形船の底のガラスを透かし真砂がコロコロとまろんでいるではありませんか。

 四万十川は早い秋、青い秋、そしていい旅を、育んでくれました。

【水彩画】徳広淳也氏(大阪府・中村高校第一期卒業生)

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【大岸さんから送っていただいた屋形船遊覧の写真は、四万十川百人一首第24首 藤井幹雄氏の歌に添えさせていただきました。】

◆藤井幹雄氏の【四万十川百人一首


 『寒暖の差の激しい早春でございます。ご返送の写真と一緒に届いた、四万十川の新鮮な青海苔は、例年より少ないよし、早速に、香りにふれられる幸せを感謝申し上げます。

 NHKテレビで、四万十川百人一首のことを拝見。歌友の市川敦子さん(四万十市)に問い合わせ、募集のパンフレットを送ってもらい詳細を知りました。

 私は、昭和3年生まれ、文明の器はすべて駄目です。パソコンは、孫が大学で、息子が古いのを持っているようですので、相談してみます。四万十川百人一首は、百名に早く達せられますよう、お祈りいたしております。(大岸)』

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[プロフィール]

 昭和3年生まれ。
 歌歴 約50年。農業の傍らの作歌。
 中央紙「青天」県内誌「温石」所属。
 歌集『野のうた』(昭和59年)

 『私の日常は、煩忙極まる。しかし、労働のみに明け暮れる人生には納得できず、きざな表現かも知れないが、心の秘境に沸く清水のごときもの、朝日にしたたる樹々の雫にも似たものへの、ある種の憧憬を捨てることができなかった。』(大岸由起子「野のうた」より)

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[代表歌鑑賞]

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  韮を束ねる指空間にあそばせて北爆停止のニュースを聴けり
                              (ベトナム戦争)

◆素材的には、農事にたずさわる生活詠が主であるが、その中に、絵画性が点綴されることによって、心象風景に迫り、深さを加えており、それと共に社会性が挿入され、歌の現代的広がりをみせている。

 社会的事象に目を向けて、何か一言いいたい土佐の女性の一面を出している。(岡林清水)
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    七色のカヌー行き交う沈下橋子等の歓声山にこだます


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■NHK高知の「四国羅針盤」を拝見いたしました・・・

 四万十川とPCが大好きなおばさんとしては黙っていられなくて、「ブログ:四万十川百人一首」に訪問させていただきました。そして、コメントに書き込みをして、足跡を残させていただきました。
 
 短歌にも憧れるばかりで・・・これからも、山藤花氏の『四万十川のブログ』は、見させていただきます。ありがとうございました。(柚季)

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[ひとくちメモ]

■ブログ:四万十川百人一首

 四万十川百人一首は、平成17年4月にインターネットを介して、全国から募集しました。

 パソコンは仕事の関係からやむなく使い始めたが、メカにはからっきし疎いIT第一世代(団塊世代前)のおじさんが、インターネット&ブログで「四万十川百人一首」を募集する、ということが珍しかったのか、NHK高知放送局の「四国羅針盤」という番組に取り上げられ四国中に放映されました。おかげで、飛躍的に応募数が増え、大手マスメディアの情報発信力に改めて感心したところでした。応募順に「ブログ:四万十川百人一首」として、順次掲載させていただき、2年後の平成19年3月末に100首が揃い、完成しました。

 応募いただいた、ほとんどの方は、メール、郵便などでコメントなどのやりとりをしたわけですが、ブログへの書き込みだけでその後のやりとりが、ほとんどなかった方もいました。第36首の柚季さんもその一人です。従いまして、本名も、プロフィールも、住所地(高知県内ということだけはわかりましたが・・・)も分からないままです。短歌集「こころのうた 四万十川百人一首」・高知新聞社版では、連絡先不明ということで、残念ながらカットされました。(山藤花/四万十川百人一首編纂人)

四万十川百人一首が完成!

こころのうた 四万十川百人一首

四万・十人一首(続編:四万十川百人一首)

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■NHKテレビで放映

a0051128_653435.jpg NHKのテレビ番組「四国羅針盤」で「四万十川百人一首」が取り上げられました。さまざまな情報を発信している四万十通信の山藤花編集長が、中高年のブログ利用者の代表として「ブログ:四万十川百人一首」について語ったものです。

◆四国羅針盤(高知ブログ探検)

a0051128_6493248.jpg 今、全国で注目を集めているインターネットの「ブログ」。一言で言えば日記風の簡易ホームページの事です。特別な技術やソフトが無くても簡単に作れるのが特徴で、ブログを開設する人の数は飛躍的に伸びています。県内にも、高知ならではのブログがたくさんあります。若者から中高年まで利用者の層は広がり、個人がさまざまな情報を発信しています。県内のブログ利用者を通しブログとは何か、また今後のブログとの付き合い方を探ります。(NHK高知放送局制作)
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     回想の彼方輝く川ありて四人家族が橋渡りゆく


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■歌の背景

 私は高知市に生まれ育ちました。当時はまだ交通の便が今ほど整備されておらず、幡多中村は高知市内からずいぶん遠いイメージがありましたが、子供の頃に一度だけ、父母と弟と家族四人で四万十川を訪ね、沈下橋を渡った思い出があります。

 それから35年、記憶は薄れつつありますが、高知を離れて暮らす今も、四万十川は不思議に懐かしい故郷の川です。

【水彩画】徳広淳也氏(大阪府・中村高校第一期卒業生)

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[プロフィール]

e0190619_6353485.jpg昭和34年 高知市生まれ。
19歳で上京し、1980年「心の花」に入会。
以後、佐佐木幸綱に師事。
現代歌人協会会員。
歌集『臨界』『アジア・バザール』ほか。
エッセー集に『歌の旅』(高知新聞企業刊)がある。
現在、神奈川県茅ヶ崎在住。

 作風:第38回現代歌人協会賞を受賞した第一歌集『臨界』は、都市が中心となっているが、テロリストや射殺魔、娼婦といった、都市の迷路にさまようアウトサイダーの視点から、いいしれぬ時代の飢渇感を表出している。

 それは、都市という文明の飽和状態のただ中において、ゆきくれてしまった魂のありかを問いかえそうとするものであり、現代に対峙しようとする鋭い批評意識と、作者本来の資質である無頼の精神が重層化され、スリリングな文体を織りなしている。(「現代短歌大事典」より)
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 『このたびは、「四万十川百人一首」に嬉しいお誘い、ありがとうございました。この歌は、四万十川をイメージして、かなり前に作ったものですが、歌集には現在まで未収録です。

 四万十川には、10年程前に、佐佐木幸綱先生はじめ「心の花」のグループをお連れしたことがあります。

 その折には、小谷貞広さんや、刈谷中村市長、また市役所の方に大変お世話になりました。四万十川での舟遊びや、トンボ公園、そして四万十料理の大宴会。どれもたいへん楽しい思い出です。どうか皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えください。(谷岡)』

【写真】小野秀秋氏(春の今成橋/写真集「自賛他賛」より)

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[代表歌鑑賞]      (「現代短歌大事典」より)

  毒入りのコーラを都市の夜に置きしそのしなやかな指を思えり

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 テロリストのいいしれぬ精神の渇きと行為を「しなやかな指」として巧みに描いており、「暴力的やさしさ」を宥めつつ生きざるをえない歌人のありかを刻印している。(山下雅人)

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[ひとくちメモ]

■心の花

 1898(明治31)年2月、佐佐木信綱主宰のもとに創刊された歌壇最古の歴史と伝統のある短歌雑誌で、竹柏(ちくはく)会により刊行されています。誌名の由来は、創刊号の信綱の「歌はやがて人の心の花なり」によります。1998年に1196号として「創刊100年記念号」を発行し、現存する短歌の雑誌として、もっとも長い歴史を持っています。

 「心の花」は創刊以来100年にわたって「ひろく、深く、おのがじしに」を唱道して、清新かつ個性豊かな俊秀を多数歌壇に送り出し、近代・現代短歌史の中で重要な役割を果 たしてきました。

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[四万十川秀歌百選/大滝貞一]
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 土佐は酒どころ。剛毅な性情には酒が似合う。それかあらぬかめっぽう酒に強い人も多い。郷里の銘酒を温め飲みながら、四万十川の河口にしぶくささの冷雨を偲ぶとするか、こんな寒夜には。

  渡川海へ注げる境界を白く真昼の雨が過ぎゆく

 という歌もある。四万十川はもともと渡川(わたりがわ)と呼ばれていたし、現在でも河口近くにその名が残る地名もある。河川法上で正式に四万十川と認可されたのは、平成6年5月のことである。(大滝)

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【写真】武吉孝夫氏
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