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      四万十川の青き水面の艶めきて鮎産卵の季に移らふ


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■四万十川短歌大会 

 第一回の四万十川短歌大会に応募して、大滝貞一先生の賞(教育長賞)をいただいたものです。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

 私の短歌のことですが、1992年頃、南国短歌に作品を発表していたのは、1年ぐらいの短い間でした。

 私が師事しておりましたのは、川島訓一先生でした。お若くして急逝されたこともあり、短歌は3年ぐらいで途絶えてしまいました。

 私は俳句も学んでおりましたので、第一回四万十川俳句大会でも、草間時彦先生の賞(大会賞)をいただきました。

 現在、古里、土佐清水市貝ノ川で、俳句とともに、独り暮らしを楽しんでいます。

■第一回四万十川俳句大会 

  秋の日の真青に暮るる大河かな
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[ひとくちメモ]

■四万十川短歌大会
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 四万十川の青い流れをいつまでも後世にに伝えて行きたいとの思いから、四万十川短歌大会を開催することにいたしました。

 投稿の総数は230首にもなり、また、選歌・講演・選評には短歌界の重鎮であります大滝貞一先生にお願いすることができました。(小橋延夫/幡多信用金庫理事長・平成4年10月17日 第一回四万十川短歌大会「はじめに」より)
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   さわだ屋に沢田研二がぶらりきて土佐中村の地酒酌みおり


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■居酒屋・さわだ屋

 四万十川の近くのホテルに泊まっていた沢田研二が、奥さんの田中好子と一緒に、赤鉄橋からの帰り道、さわだ屋の看板を見て立ち寄ってくれた、という女将の話しが面白くて、語呂合せのへたな歌を作ってみました。(左山遼)

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

1945(昭和20年)生まれ。
中部短歌会に所属。
四万十市在住
ペンネーム:左山遼
作詞「四万十川有情」
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 春は河畔の柳原 千本柳風に揺れ
 匂鳥鳴く若き朝 二人で歩く木下道

 夏は今成沈下橋 流れの鮎に影走り
 入道雲の湧く真昼 二人で渡る青い橋

 秋は果てなき川堤 千草の花の咲き乱れ
 バッタの鳴き散る日暮れどき 二人で辿る草の径

 冬はま広き石河原 赤い夕日に身を染めて
 悲しく我に惜別の 言葉を告げし女いずこ

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[代表歌鑑賞]        「四万十川短歌大会」より

   落鮎を燻製にする芳わしき香が路地に充つ漁解禁日

   川海苔を干す手休めず海苔採り女今年の出来に声弾ませる

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[エッッセー集]
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■「四万十川のほとりで」(私家版)

 季節の鳥や花々へのまなざし、日々の暮らしと四万十川、土佐という土地への愛着など、テーマはさまざま。淡々とした筆致が静かな感動を呼び起こす。(片岡雅文/「高知新聞21.10.30」より)

【写真】出版された「四万十川のほとりで」。表紙はこの清流をイメージしたものだろう(高知新聞)

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[文化遺産]

■土佐中村の地酒

a0050405_1955657.jpg 四万十川の流れる高知県四万十市の造り酒屋には、「藤娘」があります。創業は江戸末期で、手造りの日本酒を造り続けています。

 さわだ屋で、沢田研二が飲んだという、純米吟醸酒「藤娘」は純米酒らしさがよくでた、しっかりした味わいの飲みあきない土佐の地酒です。

 四万十川の支流、後川の上流域の富山というところで生産されている天日干しのお米は、香りが何ともいえず、大変に食欲をそそりますが、その富山の米で造った純米吟醸酒「とみやま」が大変な人気で、地元でも中々手に入らないという絶品です。

 そのほか四万十川の鮎に掛けてネーミングした「あい」というお酒も若者に人気があります。さわだ屋には、いつも置いていますが、冷やして飲むと、ついつい飲みすぎてしまう、お酒です。
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【写真】さわだ屋(四万十市中村山手通り)

 このさわだ屋で尾崎氏の歌を知り、また徳広淳也氏と出会い「四万十川の水彩画」を四万十川百人一首に添えてくれることを快諾してくれた思い出の居酒屋です。(山藤花/四万十川百人一首編纂人)
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   逆光にてりいでにつつ川二つ合流せんとしてひしめきあへり


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■中村市歌会にて

 この歌は、昭和59年12月1日、中村市歌会に出席した折、市川敦子氏らのもてなしを受けた折の作品です。ほかに、四万十川の歌二首を、お送りします。(石黒)

 四万十川を落ち来し鮎は潮けむる海にただちにくぐり入らむか
 潮けむりたててよせゐる渚辺に鵜二羽ゐてみゆるさみしさ

【水彩画】徳広淳也氏(大阪府・中村高校第一期卒業生)

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[プロフィール]

 大正5年 新潟県三条市生まれ。
 昭和3年作歌を開始。
 昭和18年応召、中国・当時の仏領印度支那に転戦。
 昭和21年に帰還して「にひわら」を発行。
 昭和28年短歌新聞を創刊。短歌新聞社社長。
 翌年に超結社研究集団・十月会を創設。
 昭和52年総合誌「短歌現代」を創刊。
 現代歌人協会会員。
 歌集『樹根』『人間の小屋以前』『古志』『夜雪』など23冊
 現在、東京都国分寺在住。本名、清作。

 作風は、一貫して写生を基礎にした生活現実を正確に精緻に写し取り、平明な表現を心がけているところが特色。(「現代短歌大事典」より)

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[代表歌鑑賞]      (「現代短歌大事典」より)

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  雪の上に雪の降りつむしづかなる音を聞きをり眼つむりて

 雪の上になお降りつむ雪の音は、雪国の厳しさを体験している人でなければわからない静かな寂しい音だ。それを目をつぶって聞いている。(大滝貞一)

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[ひとくちメモ]

■短歌新聞

e0190619_19444357.jpg 石黒清介氏により、昭和28年11月に創刊された月刊短歌情報紙。歌壇の公平な情報を提供しようと全国に情報ネットワークを整備し、不偏不党を掲げた。創刊時より各種イベントも企画し、色紙短冊展、朗詠会など東京・大阪での「歌人のつどい」を積極的におこなう一方、現代歌人叢書、現代女流短歌全集、などを刊行している。

 また、創刊500号を記念し、『写真でみる昭和短史』(95.9)の貴重資料も刊行。

 最近は、ニュース性のある写真を多用し、活字も大きくするなど、親しまれる紙面作りに力を尽くしている。(大滝貞一・「現代短歌大事典」より)

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[自然遺産]

■落ち鮎

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 四万十川を落ち来し鮎は潮けむる海にただちにくぐり入らむか

 短歌新聞社の社長、石黒清介氏は、昭和59年12月1日、中村市(現四万十市)で行なわれた短歌大会の講師として四万十川を訪れています。講演の演題は『歌壇について』。

 中村市から足摺岬、下田の河口、田ノ浦海岸、入野松原・・・を探勝、そのとき四万十川を歌枕に、滞在吟20首を詠まれました。

 この「落ち鮎」の歌は、四万十川連作の一首。一年魚の鮎の生態を捉えた歌で、生命のはかなさ、自然への回帰のさまを述べていますが、生命に対する石黒氏の思い入れの深さも汲みとれます。第11歌集『雪後』に収められています。(市川敦子・「土佐歌散歩」より)

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[四万十川秀歌百選/大滝貞一]

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 今ここから見える四万十川は、逆光に照りだされてゆるやかに光を帯びて流れている。河口近くの四万十川と後川の合流点を詠んだもので、、水勢がひしめき噛み合っている態を平明な写生に詠いおさめている。
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  竹の火で焼くにが竹に手づくりの味噌そえて出す四万十の宿


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■にが竹

 遊説の途中、四万十川の口屋内の沈下橋のたもとにある民宿に泊まった。その宿で出された「苦竹」はそのままでは、とても苦くて食せないというが、竹を焚く火で炙り、手づくりの味噌を添えただけで野趣の味がきわだつ美味しいものになっていた。

 新緑の頃、地面にわづかに頭を出した筍を掘り出して、食すのは旨いものであるが、苦竹はかなり伸びたものを手折って収穫するという。秋の四方竹といい、筍も様々である。

【写真】武吉孝夫氏([四万十川秀歌百選/大滝貞一]より)

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[プロフィール]

a0051128_6422683.jpg 大正9年8月高知県本山町生まれ。

 新聞記者、高校教諭を経て、昭和44年に衆議院議員に初当選。

 以来30年間、国政の場で活躍した。

 歌集に「南の熱き炎」。

 平成15年癌との闘病後、ご逝去。享年83歳。

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   焦がれきて峠に立てば故里に花は吹雪きて心なごむも
   石鎚と剣をむすぶ新雪の四国連山におい立ちたり

【写真】佐藤直子氏(ブログ[のあめも]より)

 山原健二郎氏は遊説などで、四万十川をたびたび訪れています。流域の農山村に、くまなく足を運び、民宿で地酒を酌み交わしながら、地元の人と語り合ったり、短歌を推敲することが楽しみだった、と闘病生活に入る前の、お元気な頃、高知市での行きつけだった名物居酒屋「とんちゃん」で、木訥と語ってくれました。

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[ひとくちメモ]

■山原さんの「とんちゃん」
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 紺屋町にちかづくと「とんちゃん」のにおいがただよってくる。その流れの源にすいつけられる。いくたびか喝と胃袋をいやしてくれたことか。人恋しくなるとふらりと吸いこまれる。

 「豚足」が好きである。「銀なべ」はほとんど中毒。「泥がゆ」は栄養満点。「南極」とはよく言ったものだ。舌にひんやりとここちよい。

a0050405_5504633.jpg ここは豚の支配する世界だが、支配される人間もこの店の料理の一つになっている。昂然型、ボツネン型、活力摂取型等々が、「人間みな友人」というかまえで雑居している。

 この雑居房に目で挨拶がくる。手があがってサインが送られ、ジンギスカンの煙の向うから盃がまわってくる。働く仲間たちがここに集まりトンと人にもまれ、活力を得てここから出てゆく。

 ハリマヤ橋がコテコテとダメになった今、「とんちゃん」は新しい土佐の高知の風物詩である。(山原健二郎)

■山原さんからの葉書
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 コラムを活用していただきありがとうございました。とんちゃんにちかづくと「とんちゃん」のにおいがただよってくる。は長年の経験がないとただよってきません。高松慕真や五島良成さんの顔が目にちらつきます。土佐の風物詩でした。どうかこれからもがんばってください。ご健康を祈ります。ではまた。 五月七日 山原健二郎

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[文化遺産]

■タブの木
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   君知るや幡多初崎のタブの木の緑したたり蝉のしぐるる


 四万十川百人一首に採用させていただいた山原氏の「にが竹の歌」は、大滝貞一氏による「四万十川秀歌百選」に選ばれている秀歌です。

 この歌と山原氏の思い出については、高知市の名物居酒屋「とんちゃん」にまつわります。たまたま隣り合わせになった山原さんに「にが竹の歌」を、四万十通信がネットワークを組んでいた高知県幡多林業事務所の「メルマガ:四万十森林記行」第30号(四万十の文芸)に採用させていただきたい旨の、お願いをしたところ、後日、ご丁寧にも葉書で、その返事をいただきました。当時、葉書にしたためられた味わいのある達筆に、山原さんの誠実さを感じたものでした。

 その葉書には、四万十川の短歌として、河口(初崎)の堤防の脇にある、大きなタブの木を詠ったものが添えられていました。(山藤花)


『私のつたない短歌を評価し、四万十の文芸に採用くださって、たいへん光栄に思っています。にが竹は、遊説中、西土佐村の口屋内の旅館ではじめていただき、その風雅な味におどろいた歌です。こころからお礼を申しあげます。また、先日は「とんちゃん」で声をかけていただき、ありがとうございました。「四万十森林記行」は郵送での配信を、お願いいたします。(山原健二郎)』

【写真】中嶋健造氏

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[こころのうた 四万十川百人一首]
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【写真】岡村龍昇氏
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      四万十川に底まで透す日の光逆しまになりて鮎は苔食む


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■四万十川を散歩・・・

 私は、四万十川大橋の近くに住んで居ります。夕方、その赤鉄橋を渡って、散歩をいたします。

 風のない川面の静かな日は、夕日が射し込んで、川底まで見えるのです。

 ふと、欄干に凭れて、下をのぞくと、12,3の鮎が逆しまになり、上ったり、下ったりして、川底の石についた餌を漁っていました。

 その時の一首です。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

 昭和2年生まれ。主婦。
 「高知アララギ」会員

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[四万十川秀歌百選/大滝貞一]
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 巨大なるショベルカーが一斉に首を振り、腕を伸ばしたり縮めたりし始めたとたんに、それまで聞こえていた四万十川の瀬音も掻き消されてしまった。護岸工事の写実描写だ。(大滝)
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    心して浄化努めし山里は排水路にまでトンボ飛び交う


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■清い水を守って・・・

 当地(四万十市口鴨川)は、トンボ博士、杉村さんが青年の頃より「トンボの生態調査」を始められた地域でございます。

 この川のやがての行方を思い、私達婦人たちが、油の垂れ流しをせず、生ゴミはコンポストで肥料として土に返し、古くから清い水を守っております農村でございます。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

四万十市生まれ(昭和4年)、主婦。
「中村短歌会」「海風」会員。
 高知県歌人協会会員。
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[四万十川秀歌百選/大滝貞一]
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 赤銅色した精悍のの面構えをしている老漁師が、水面を見つめていたと思う瞬間、機を逃さず前身が動いた。投網が宙に飛び、水にしぶきをあげて沈んだ。一瞬の出来事であった。(大滝)
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