第89首 寺田ゆたか (神奈川県)

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  ゆうるりと流れ淀める四万十の淵の鰻よつつがなきかや


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■もう土佐を出て長い年月が経ちました・・・

 紅顔の美少年??だった小生も、はや古希を過ぎること4歳、いまや厚顔の否少年です。

 育ちは四万十市中村よりはずっと東、仁淀川に面したいの町波川です。小生の場合は仁淀川に育てられたようなものです。

 いま関東の都会にいて、やはり故郷の清流にはこころ惹かれます。神奈川県にも相模川や酒匂川のような川はありますが、とても清流と呼ぶほどのものではありません。土佐のような清流は関東では見ることができないのです。

 子供の頃は幡多というと、大変遠い所のように思ってました。戦争中でもありますし、行ったことがなかったのです。

 幸い壮年期には、仕事で何回か中村を訪れる機会がありました。高知の追手前高校時代の学友とも再会し、四万十川・足摺岬・入野の松原・大堂海岸などを経巡り歩きました。

 幡多地方のように美しい所は、日本中でも、そう多くはないと思います。そしてその中心に四万十川があるのですものね。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]
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 無頼の経営コンサルタント(小規模企業の事業主さんのサポーター)

 話は飛びますが、故山原健二郎先生には旧制城東中学で国語を習いました。この旧制中学は新制追手前高校の前身です。

 小生の文学愛好の種は山原先生にあったのだと思っています。(寺田ゆたか)

◆山原健二郎氏の【四万十川百人一首

 また、その頃偶然に平井保喜(康三郎)先生の『平城山・九十九里浜』の楽譜を手に入れ、北見志保子という歌人をはじめて知りました。

「人恋ふはかなしきものと・・・」 「いにしへも夫に恋ひつつ・・・」など、かなしい歌だなぁとは思いつつ、歌曲そのものも愛唱したものです。

 当時は、彼女がどうゆう人かも知らず、その経歴等を知ったのは、ごく最近のことです。

 小生も長年土佐の地を恋いながら、色色な事情で帰れなかったこともあり、宿毛小学校にある北見志保子の歌碑は、小生の心に沁みる歌です。

  山川よ野よあたたかきふるさとよこゑあげて泣かむ長かりしかな

 この歌を読むと何時も泣けます。ま、小生の場合は、ふるさとの山ふるさとの川、というのは仁淀川と伊野の山々ですけどね。

◆北見志保子氏の【四万十川百人一首
土佐紀行・仁淀川編(四万十川通信)

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[代表歌鑑賞]        

 手攫めばかわゆき鋏ふり上げて鋏まむとする四万十の蝦
 四万十川(しまんと)の水面(みなも)に写る鉄橋の赤きが夢に揺れて目覚めき
 四万十川(しまんと)のゆたけき流れおもほえば亡き学友の声もきこゆる

■四万十川の四季

「春」 うらうらと春陽かげろひ橋をゆく二人へんろに川はほほえむ
「夏」 川下るカヌー楽(たぬ)しも沈下橋くぐれば冷やと風が吹きくる  
「秋」 秋あかね川面に群れて空の青日ごと深まる季(とき)をいとしむ 
「冬」 『藤娘』ぬるくあたため友を待つ川面に消ゆる雪眺めつつ 

 ◆『藤娘』の【四万十川百人一首】(尾崎清氏)

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[自然文化遺産]

■四万十川・川漁師の風景 しば浸け漁
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 ◆四万十川・川漁師の風景(「四万十川通信」より)
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