第68首 西岡瑠璃子 (高知市)

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   荷を解けば四万十の鮎香に立ちて漁(すなど)りし人の心偲ばる


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■香魚と呼ばれ・・・

 四万十川の鮎は、今やブランド品として都会に出荷され、県内では手に入りにくい貴重品である。毎年、四万十川中流域の幡多郡十和村(合併で現在は高岡郡四万十町)に住まわれる歌友から届けて下さるのは有り難い。

 好天に恵まれ、餌になる珪藻が繁殖した年は特に香り・味・姿形ともに良く「香魚」と呼ばれるにふさわしい。

 火振り漁や浅瀬での投げ網、瀬や急流での囮(おとり)掛けなど、それぞれの漁をする人の楽しさが伝わってくる。

【写真】岡村龍昇氏

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e0190619_6525188.jpg[プロフィール]

 1934年生まれ。元NHK労組委員長、歌人。
 1989年、参議院議員(社会党)。旭日中綬章を受賞。
 高知歌人社(高知歌人)代表。
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[ひとくちメモ]

■高知歌人

 「高知歌人」は昭和22年の草創期から伝統短歌を大切に、写実を基底としたロマン明るい生活の歌を目指し、会員相互に和の精神で新しい時代に沿った短詩型文学の発表に寄与している。(高知県庁HP「こうちの文化ポータルサイト」より)

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[代表歌鑑賞]        

■四万十川を詠む

  渡川の名を碑に残し四万十は日本最後の清流と呼ばるる
  源流に近づくにつれ四万十の鮎の肢体はきりりと締まる
  対岸に菜の花の群生ひかりつつ四万十川を屋形船は下る
  朝霧の渡る四万十に青海苔を採るひとらいて今日も始まる

■第27回子規顕彰全国短歌大会 特選

  牛乳びんの蓋開けかねる麻痺の手に新聞を読む元記者の夫

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[文化遺産]

■火振り漁(十和地区)
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 四万十川の夏の夜の風物詩、火振り漁は昔から伝わる伝統漁法です。

 この漁法は、立網を川を横断するように幾重にも張って、最後に松明を点し、その明かりで鮎を追い込む漁法です。

 シーズンともなると四万十川のいたるところで松明の明かりが見えて風流です。赤々と燃える松明がゆらゆらと川に反射し、時折水面を叩きながらゆっくりと船が水面を行き交う姿はまさに幻想的です。(HP「四万十町役場」より)
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