第10首 下田佳子 (土佐清水市)

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  空に花咲かせるように網を投ぐ川漁師いきいき舟をあやつる


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■網を投ぐ

 勝間とか、岩間とか、地名は定かではありませんが、そんな蛇行のふくらみの広い所で、一人の川漁師が、木の葉のような小さな舟で網を投げています。

 真っ青な空に、白い網がまるで夕顔の花が咲くように広がります。漁師の機敏でしなやかな体格と相俟って、それはまさに、一幅の絵のようです。

 その光景は息をのむ美しさです。そんな四万十川の光景は、私の脳裏に焼き付いて、いつまでも消えることはないでしょう。(四万十川短歌大会(第13回)大会賞)

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

 『今は主婦として、土佐清水で平凡な日々を送っていますが、以前、勤めていた頃、中村市(現四万十市)に転勤になりました。仕事の関係で、中村市から、西土佐村(現四万十市)の江川崎へ行くことが多くありました。

 あの曲がりくねった狭い国道を、やっとの思いで、車を運転したものです。時には、恐ろしさのため、道路の川側の方へ車を寄せられず、ダンプカーの運転手さんに怒鳴られたこともありました。そんな時の心は、しゅんとなって、落ち込みました。でも、傍らの四万十川を見ているうちに心は晴れます。

 そう、四万十川を見たら・・・大きく蛇行して流れる四万十川は雄大で、エメラルドグリーンの帯が、どこまでも続きます。すぐそばの、山の緑も、川面に映ります。

 第2のふる里、四万十市、そこを流れる四万十川は、いつの日も、そっとささやいています。「いつまでも、美しい川でいたい」と。(下田)』
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[文化遺産?]

■国道441号線

e0073691_14473459.jpg 四万十市の中村から西土佐江川崎への四万十川沿いの国道です。バス1台がやっとの箇所もあり、地元では自嘲気味に「酷道」と云っています。しかし、大規模な国道改修工事が遅れたおかげで、四万十川の原風景が保たれている一面もあり、「自然保護」と「利便開発」の狭間で四万十川はたおやかに流れています。
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