第5首 横山美子 (兵庫県)

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   蛇のごと四万十川はうねりつつ海とうつとり婚(まぐは)ひにけり


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■婚(まぐわ)う

 四万十川は、窪川あたりから蛇のように大きくうねりながら四万十市に流れてきていますね。そして、太平洋に注ぐ辺りは川幅もぐっと広くなって、流れも緩やかになっています。その様を「うっとり」と表現しました。

 つまり、四万十川の水は、うっとり気持ちよさそうに太平洋の温かい海水と溶け合うのです。

 婚うというのは、歌言葉で男女の交わりのことを指します。

【写真】岡村龍昇氏

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[プロフィール]

『私は「塔」という短歌の結社の会員で、歌は旧仮名遣い、文語体で作ります。

 元々私は、高知市の出身ですが、清流四万十川に初めて逢った(!)のは、結婚後数年のちに、家族でキャンプに訪れたときでした。いまどき珍しい、自然のままの川の姿に感激しました。

 そしてその時の川の印象を歌にして賞(第10回 四万十川短歌全国大会 大会賞)をいただくことができたことは望外の喜びでした。(横山)』

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[ひとくちメモ]

◆塔短歌会

 昭和29年、故高安国世氏(京都大学教授、ドイツ文学)により創設。月刊誌「塔」を発行。現在は永田和宏氏(京都大学教授)が主宰。

 創刊以来の自由な気風がモットーで、それを反映して大学生を中心に、会員の1割を占める20代の若い歌人の活躍が大きな特徴。

  夫を待つ時間のおのれを温めておくなり夫を温めるため(横山美子)
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